出会いは億千万の胸騒ぎ

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『東京の米』にご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。
明日が最終日です。まだご覧になっていない方、どうぞ遊びにいらしてください。

池袋駅前徒歩3分の、「東京芸術劇場」という場所で、やっています。
いらっしゃるお客様に、「遠くからありがとうございます」って言うのが癖です。普段は神奈川でやっていることが多いので、東京に住んでる方や千葉・埼玉に住んでいる方には、「いつもは遠くて申し訳ないので・・・」と言うと、「いや、別に変わらないよ」と返ってくることがとても多かったです。
横浜でも、池袋でも、別に時間的には変わらないよ、と。

みんなが足で移動していた頃、行ける範囲って限られていたのだと思うし、水戸黄門がほんとうは全国行脚なんてしなかったという史実があるそうだから、誰にとっても距離の限界って共通だったのだと思うのです。でもいまは、交通手段はいろいろあるし、それにしたがって当然だけれど距離感は変わりますよね。

距離を時間で測ると、千葉からは池袋も横浜も同じだったりするのですよね。
ちなみに私の家からは電車で、都内まで1時間で、池袋までは2時間弱くらいかかります。

移動距離が変わると、出会う人も変わりますね。それから出会い方も。電車がなかったら会えなかった人がたくさんいるし、とりあえず自分が東京都の池袋で、東京にも神奈川にも住んでいない人と出会っているのは、よく考えてみると不思議です。

ひととひととの縁って、私はいまも昔もあるような気がしますが、それでもやっぱり移動距離で限界が生まれたと思う。いまは昔とは違って、沖縄県の人や海外の人とも縁が生まれたりするけど、まだ火星の人とは縁がないし。縁、や運命、なんかが交通手段に左右されている。
たとえば電車は多くの人が利用する交通手段だけど、電車のせいでひととひととの縁や運命が、ぜんぜん変わっているのだと思う。
たとえば江戸時代に生まれていたら、近くに住んでる人としか縁がなかったかもしれない。
でも、いまは私と北海道に住んでいる人の間に、縁が生まれている。

そう考えたとき、電車によってひととひととの縁が変化している、と言うこともできるけど、もし、たとえば、生まれたときから縁とか運命とかがあるのだとしたら、縁のある人や出会うべくして出会う人たちが、電車や飛行機や船で、世界中のいろんな場所に散りばめられているのかもしれない。
だからきっと、「出会うべくして出会う人」と出会うことは、昔の時代よりも、難しくて、手間がかかって、いろんな障害が入りやすいことになっているのかもしれないです。

でも、だからこそ出会いがエキサイティング。出会いが奇跡的になる、そんな気がする。
だって従兄弟とかじゃなくて、ぜんぜん血のつながりも遠くて子供の頃まったく違うものを見て育った人と、結婚することになったりするのだから。
電車があったから出会ったのではなくて、電車があったせいで今まで出会えなかった人と、ようやく出会っているのかもしれないです、ここ、池袋で。

『東京の米』は、京浜東北線を北上する恋の物語。
JR東日本のせいで、ばらばらに散らされた恋人たちが、奇跡的に出会うことを夢見る物語。
そんなことを、今日思いました。

残るは明日の17時からのステージのみです。
いままで出会えなかった、「出会うべくして出会う人」たちに、明日池袋で出会えるかもしれない奇跡に、かすかな興奮を覚えつつ。
それでは明日、劇場でお会いしましょう。

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