2004年9月アーカイブ


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もう一ヶ月近くになりますね。
ポエムの獣、ご来場いただいた皆様、ほんとうにありがとうございました。


急に何もしたくなくなって、
部屋でぼんやり横になっていました。

薄着に夕暮れ時の風は涼しすぎるので、毛布に包まりながら、蝉の声を聴きました。
しばらくすると、秋の虫の声が混じりはじめ、やがて蝉の声がやんで秋の虫だけになりました。
夕焼けに染まった雲が、部屋で聴いている音楽と同じ速さで流れていました。
そのうち雲も青灰色になって、煙草のけむりと区別がつかなくなりました。
すいかは食べそこね、
(だって一緒に食べる人がいないと大きすぎるし)
夏風邪は一度ひいたきり、
(好評だったハスキーボイス)
布地を買って準備していたド派手な花柄のワンピースもつくれないまま、夏が終わろうとしています。
窓の下を、新学期をむかえた中学生たちが歌いながら下校していきます。
ここは通学路じゃなく、登下校に使うことは学校で禁止されているので、中学生カップルの秘密の帰り道になっています。
ときおり、(たぶん)初々しい恋人同士が、部活帰りらしい大きな荷物を背負って、誰もいないのにあたりをはばかるような囁き声で、途切れがちなお喋りを交わしながら通り過ぎます。


だからなんだという話なのですが、
誰かにとても伝えたくなったので、久しぶりにブログを書きます。
「誰かにとても伝えたい」という気持ちが、きっと誰のなかにもあって、
普段、お芝居をやっているときは、私のほうが「伝えたい」側なんだと思うんですけど、
それは一応、立場的に、名目上、そこではそういう立場で見られるようにやっていますが、
ほんとうのところは皆さんの「伝えたい」ものを聴きとりたいと思っているのです。
「聴かせてよ」と思っているのです。
へんですかね。それとも陳腐すぎるかしら。
だからお芝居をやっているときは、何かを伝えているというよりは、糸電話をつくって、片っ方を相手側に投げて、一生懸命「もしもし、もしもし」と言っているような気持ちです。上手に声が届かない、糸電話ができてしまうこともありますし、投げる方向が的外れってこともあります。だけど時々、糸を伝わって「もしもし」が返ってくるような気がします。ため息だけ返ってくるときもあります。時々、すてきな音楽なんかが聴こえてきたりします。
いま、雲が流れるスピードと同じ速さで流れている音楽のような。
生温い夕暮れの風にからみついて、たまらないほど匂い立つような音楽が。

私、耳は弱くて、よく人の名前とか音楽の歌詞とか聞き間違えるんですけど。
そんな気持ちで、できるだけ、聴こえのよい糸電話をつくりたいと思っています。
次に皆さんに、「糸電話の片っ方」をお届けするのは秋です。
夏の終わりのご挨拶。
どうぞ、よろしくおねがいします。

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