タウンズビル日記

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今日の夜は、いよいよ私の脚本のドラマリーディング本番。
午前中、翻訳脚本(あらすじ+最終場のみ)が仕上がる。
稽古場に持っていくと、すぐに読み合わせ&ディスカッションが始まった。
日本ではほとんど訊かれないような質問がつづく。
シンボルの対応や意味、ストーリーの構造に関する質問が多い。
たぶん日本でこのお芝居を観た人とは、全然違う観点から、物語を見ていると思う。

間違った使い方だけれど、「かゆいところに手が届く」。
皆、今まで誰も訊いてくれなかったことを訊いてくれる。
そうそう、それを話したかったの。それが一番やりたかったことなの。
たぶん日本語が読める人(そして日本で育った人)にしか分からない"言葉にしなくても分かる"情緒と絡まりあって見えづらくなっていたロジカルな部分が、裸んぼうで見えてくる。
素直に、すっごく面白い。気持ちいい。

Junさんは脚本についてかなり理解してくれていて、私の分かりづらい説明も丁寧に訳してくれる。
いくつかのシンボルが呼応していること、劇中の世界が何重かのレイヤーになっていること、シーンのイメージ。やはり皆、自分で書いているからか、細かい台詞は分からなくても、物語の芯の部分まで達するのが早い。
皆興味を持ってくれて、ディレクターも「すごく複雑だけど、すばらしい。この劇についてもっと詳しく今晩のドラマリーディングでみんなに伝えたい」と言ってくれました。

午後に再度集まって、リハーサル。演出家からいくつかの台詞にチェックが入って、訂正することに。出演者は皆playwrightなので、台詞のアイディアもすぐに出てくる。台詞の変更やシーンのカットも的確なので、やはり皆理解してくれてるのだろうなと安心する。
ディレクターのキャサリンは、リーディングを始める前に、この芝居のコンセプトとあらすじを説明するスピーチをしてくれるとのこと。

夕食を終えて、いよいよリーディング本番。
私も出演者のみんなと一緒にステージに上がって、リーディングを聴いてみました。

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(英語版の役者たち)

分かりづらいと思っていたコントのシーンも、(別の意味にしろ)笑いがとれていたし。
そして終了後、色々な人が「脚本のコピーを読みたい」「脚本全体を英語で読みたい」と言ってきてくれました。キャサリン、マイケルから脚本全体の翻訳にトライしてみないかと提案を受ける。ただ、翻訳家の方にお願いするとそれなりに、というかかなりお金がかかるので、どこかから助成金を貰えないか・・・とのこと。World Interplayからも一部、援助してくれる可能性があるらしい(会期が全部終わって、資金が残っていたら。実は今回の翻訳のためにも、彼らはJunさんにfeeを払ってくれていたのでした)。ただ海外の翻訳家とどれだけコミュニケーションがとれるのかは、やはり心配。
今回、ご自身が劇作家でもあって執筆経験豊富なゆうこさん、Junさんという二人に協力していただけたのは、本当にラッキーだった。
Junさんの場合は演劇経験はないものの、日本語ができるだけではなくて、何度も言うけれどかなり勘がよい人なのだと思う。実際、私が日本で関わっている役者さんやスタッフさんとほぼ同じくらいか、もっと短時間でかなり深くまで理解してくれていると思う。

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(ヨン様似のJunさん)

今日はたまたま、ヴィエトナムのマイマイ、カンボジアのチェンダも発表だった。私を含めアジア娘たちは脚本の一部しか翻訳できなかったけれど、他の国からの参加者たちはきちんと聴いてくれている。リーディングを演じるのも、ヨーロッパ圏の人とオーストラリアの人たちなので、内容的に演じづらいところもあると思うけれど、一生懸命理解しようとしてくれて、絶対テキトウに演じたりしない。日本人がシェイクスピアを演じるときのことを想像すると、それよりも更に恥ずかしかったり、居心地の悪いものなんじゃないかと思うけれど。

明日は、Your town!Our town!というプロジェクトの発表。タウンズビルの人を各グループにひとりずつ呼んで、彼自身の歴史や日常のエピソードを語ってもらい、それをplaywrightsたちが物語に書き起こしてドラマリーディングする、という企画。
以前、ぺピンで似たようなプロジェクトをやったことがあるのだけれども、けっこう面白いことになるのじゃないかと思う。エピソードを語った本人も演じたり観劇したりするというのがスリリングだ。
各人、何か短い台詞やシーンを書いていかなきゃいけないんだけれど、まだ出来ていない。だって英語が速すぎて、しかも2時間くらいぶっ通しで喋っているから、何言ってるのか全然覚えられなかったんだもん。私が覚えているのは彼がやった、彼自身のお母さんの物真似。なんとかこれでシーンを考えてみるつもり。

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