2009年9月アーカイブ


骨と蜂蜜

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最近時々、地元のお寺でお仕事をしています。
今日はおもしろいことに出会ったので、誰かに話したくなりました。

もうじきお彼岸なので、お墓参りの人が増えてきました。
ところが、墓地に蜂が巣食ってしまって、苦情が出ているのです。
墓地のどこかというと、お墓の中です。
どのお墓にも、地下に、お骨を納める部屋のようなものがあります。
石で切った小さな部屋のようなところに、骨壷ごと納められているのです。
お墓は一見密閉されているようですが、実は虫が出入りできるほどの隙間があります。
地下は暗くて涼しいので、そこにミツバチが巣を作ったのでした。
以前は、お墓の隣に巣箱を置いて蜂蜜を採ったこともあるそうです。

日本ミツバチは比較的おとなしく、あまりこわくはないそうなのですが
お墓参りの人の中には自分で駆除しようと薬をまいてしまう方などもいたのです。
そこで蜂を殺さずに済むよう、蜂の巣ごと、巣箱に移して引越しさせることにしました。

住職と2人、ネットと軍手で武装して、いよいよお墓を開けることになりました。
お寺は山の腹にめりこんだような形で建っていて、自然に囲まれているというよりは
緑の中に「埋もれつつある」といった方がふさわしいような場所です。
見たことのない赤くて細い蛇が、墓石を伝ってするすると逃げていきました。
おん年70にもなろうという住職が、ふうふう言いながら重い石の蓋を持ち上げると、
ぶんぶん唸る音と一緒に、いっせいに蜂の群れが飛び出してきました。
そこには地下室の入り口を覆う、びっくりするくらい立派な蜂の巣が。
その奥には、ひっそりと並んでいる、いくつもの白い骨壷が見えました。
合掌。

のこぎりで巣を地下室の壁から(半ば無理矢理)切り離し、急いで巣箱へ入れると
蜂の群れの反撃から2人してダッシュで逃げました。
墓地の片隅の木陰に巣箱を設置して、一件落着です。
巣箱には、蜂が出入りできる小さな隙間と、お寺のような屋根までついているのです。

お墓の中には、まだ数十匹のミツバチが残っていましたが、
いずれ彼らも、自力で巣箱へ辿り着くでしょう。
お墓を開けるなんて、眠っている人を叩き起こすようで申し訳ない気がしたのですが、
蜂の巣が取り除かれて、これからは静かに眠れるかもしれません。

でも、不謹慎かもしれませんが、死んだ人のお骨の周りに
蜂たちが巣をかけ、女王蜂が新しい命を生み出していると想像すると、
不思議な感慨に襲われます。
そしていつしかお墓の下には、甘い甘い蜂蜜が溜まっているのです。

住職によると、日本ミツバチの蜂蜜は、西洋ミツバチのそれより味が濃密で甘いそうです。
長年死んだ人たちのそばで生きてきて、ためらいなくその蜂蜜を口に出来るこのおじいさんに、
私もだんだん影響されつつあります。

曼珠沙華が満開です。

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「つきよのキャベツくん」にはトンカツさんが出てきます。
キャベツくんとぶたやまさんをつなぐ「トンカツ」。

トンカツ食べた記録を公演まで続けていこうと思います。

前回、ミーティングで食べたのは横浜にある和幸でした。

今回は御徒町にある「とんかつ井泉(いせん)」というお店。
ホームページはこちら : http://www.tonkatu-isen.com/

ヒレカツ定食1,800円。
ご飯・キャベツおかわり自由。豚汁とお漬物がついています。
箸で切れるトンカツということで、とても柔らかい。
アツアツなので「や やはらかひ はふはふ・・・」となります。

井泉のマスコットらしきキャラクターがとても可愛かった。
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この「トンカツたべた」、週刊でレポートしていこうと思います。
すごい太りそうだけど、がんばります。

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ふと考えると、世の中がよくなってる気がする。

コンビニでなるべくレジ袋をもらわないようにしたり
冷房の温度が色んなところでちょっと高めに設定されていたり
温暖化防止!ってことでエコするのがちょっと当たり前になってきた。

あ、あと今日、新聞で見たけど
中国の人件費が高くなってきているせいで、工場が
インドやバングラディッシュやスリランカ、といった国に移ってきてるって。
貧富の格差とか、そういう問題はあるだろうけど、
大きな視点で見れば、中国の経済成長のうらで
東南アジアの国々も、経済的に豊かになってきてる。

あとは、社会のために何かいいことがしたい、
って人が、会社でも何気に結構多かったりするし
あと、企業が社会貢献するっていうのも、
なんだか当たり前な雰囲気になりつつある。
世の中、いいことしよう、いいことしなきゃって雰囲気になってる。

ピースな愛のバイブスでポジティブな感じ、
ってやつですよまさに。

でも、朝の通勤電車のると、まるでまわりに気を使ってなくて
ガンガン押してきたり(ヒジテツとか)、やけにイライラしてたりして
もうぜんぜん、ピースな愛のバイブス感じないよ、って思う。イテテテ。

世の中、よくなってる「風」なんだけど
なんかそれっぽい感じを演出することに慣れちゃって
本当のところどうなんだろうか、よくわからない。
駄目なら駄目って言ってほしい、そうじゃないと余計に生きづらい。

おとなになるってそういうことなんでしょうか。
おれ、もうずいぶん前に大人になったはずだけど。

人生は毎日の積み重ねなんだから
毎日「○○風」ばかり積み重ねてたら、そんな人生になっちゃう。
いつか風に吹き飛ばされちゃうよ。

石神 夏希 09/15
下田 寛典 09/15
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今日は、おいしそうな絵本です。
というか、子どもっておいしそうな絵本好きですよねー。
ペピンでも、思い出に残っている絵本の話をしたりするのですが、
みんな、おいしそうな場面ばっかり覚えてるんですよね。

あーちゃんちは パンやさん /ねじめ正一・作、井上洋介・絵』

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残念なことに、今この本は手に入れるのがとても難しいようなのです。
地域の図書館に入っていることを祈ります。本当にオススメなんですってば。

パン屋さんの娘さんである、あーちゃん(表紙右側)の一日のお話。
味噌汁も目玉焼きも全部焼きたてのパンの匂いになってしまう朝、
カメラ屋さんのゆきちゃんと三輪車で出かけて、
ケンカして、売れ残りのパンを分けっこして仲直りして、
パン屋さんで大人みたいに
「いらっしゃいませ」を沢山やって、
シャッターを閉めて、おやすみなさい。

裏表紙の、「おっぱいメロンパン」の絵が恥ずかしくって、
でも忘れられなかったなあ。

私は、よそから越してきた、サラリーマン家庭の子だったのですが、
同級生には、地域に昔からあるお店の子どもたちが結構沢山いました。
そういう友達が家に遊びに来ると、白くて四角いへーベルハウスを羨ましがったけど、
私は彼らの、「家がお店」という境遇が憧れだったのです。
その憧れの根っこには、この本があったと思います。
あーちゃんのように、お店を手伝ったり、売れ残りをおやつに食べたり、してみたかったのです。

井上洋介さんの絵は、誰でも子供の頃、一度は目にしたことがあると思います。
(『くまの子ウーフ』シリーズの絵を描かれている方です)
ねじめ正一さんの、坂を転がり落ちていくような語り口もたまりません。
大学時代に、ねじめ正一さんの特別講義を取っていて
毎回ねじめさんが自作の詩を朗読されるのですが、
激しくツバを飛ばしながらまくし立てるその様子が、この絵本の文体そのままでした。

なんともいえない、忘れられない気持ちよさを持っている絵本です。
でも、よい絵本って、そういうものなのかもしれませんね。

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今日は絵本の話です。
でも子供の頃に読んだ絵本ではなく、大人になってから読んだ本。

以前、どこかで泣ける本NO.1に選ばれて、最近映画化もされた
いけちゃんとぼく /西原理恵子』

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お読みになった方もかなり多いかと思うので、「教えたい」には当たりませんが、
私もこれ読んでボロ泣きした一人です。もう、阿呆みたいにボロボロに泣きました。

厳密にはこれを絵本と言ってよいのか分からないし、
読み聞かせするような感じでもないから、
やっぱり大人がひとりで読むものなのかなーとも思うのですが。

西原さんの本は、割とそういうものが多いかもしれませんが、
「お母さんとしての女性が書いた本だなあ」と思います。
「お母さん」という母性みたいなものに包まれた
「女の人」とか「女の子」の部分が、生々しく呼吸してる感じ。
女の子が、女の人になって、お母さんになって・・・
という歴史を思って、思わず涙が出てしまう。じゃなくて号泣しちゃったけど・・・
お母さんって、女なんだよ。「お母さんも女なんだ」じゃなくて、
お母さんは女なんだよ。女だから成れるんだよ。

女はタフなんだよ。
命がけで人を愛するから、強くなるんだ。
そしてその人を見守るんだ。
だから女の優しさは強さなんだよ。


次のお芝居は、長新太さんの絵本が原作なので
これから時々、オススメの絵本を紹介していきたいと思います。
よろしければ、どうぞお付き合いください。

haruca 09/14
石神 夏希 09/14
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ケータイが壊れた。
もともと、あちこち不具合が出ていたけれど、今度は上下にばっくり割れた。
とうとう通話もメールも出来ない、生きてるか否かも分からなくなった。
でも普段から、ケータイをあまり携帯していないので、すごく不便とは感じない。
待たせている人がいる訳でも無し、おはようとメールする人がいる訳でも無し、
結婚してくれないと今から睡眠薬飲んでやると脅してくれる人がいる訳でも無し。

ケータイ嫌いだ、と思うことは、さすがにもう無くなったけれど、
ケータイが無くても自分は大丈夫なことを確認してホッとする。
犬はケータイが無くても、幸せそうにやっている。

で、それはそうと修理のためにドコモへ行ったのですが、
カウンターに『よくある質問TOP10』という用紙が置いてあって
「該当する質問に○をつけて、従業員にお渡しください」と書いてありました。
大抵は、
「iモードは、画面を見ている間ずっとお金がかかるの?」といった質問なのですが
ひとつだけ気になったのは
「みんな電車の中でケータイの画面を見ているけれど、何を見ているの?」
という質問でした。

会社帰りの満員電車。ふと気がつくと、半分以上の人がケータイの画面を覗き込んでいる。
忙しそうにケータイのボタンを押している人。真剣に画面をみつめる人。
でも、自分にはケータイを見る理由がない。他の人が見ている理由さえ思い当たらない。
少し寂しい。ちょっぴり不安。もしかしたら焦っている。でも家族には訊けない。

思わず、そんなシチュエーションを想像して、すこし切なくなりました。
だって、うちのお父さんみたいで。
うちのお父さんの質問、堂々TOP10入り。
と、いうことはもしかして、よそのお父さんも。

ひとりじゃない  って すてきな ことね

ケータイ、明日には復旧します。
本当は、ケータイが無くて困ってみたかった。
ドコモの対応あまりに早すぎて、少し物足りないのです。

。。 09/09
。。 09/09
石神 夏希 09/13
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6日の日曜日にメンバーで集まり、作品についての会議をあれこれしました。

長新太さんの「つきよのキャベツくん」にはトンカツが出てきます。
「実物を食べてみないことには始まらない」、と思い、みんなで
トンカツ屋に行くことにしました。奮発して特大ヒレカツにしました。

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今回はモチーフがあり、もちろんモチーフに対する分析も大切ですが、
でも、もっと自分自身のことや切迫している問題をまな板に乗せないと、
作品づくりにドライブが効いてこない。

最近ようやく「あれ、こうかな」って気づいてきたのですが、演劇って
とても私的な問題と向き合うための方法のような気がします。
だから自分にとってすごく必要なんだなぁって。

朝9時半から16時まで続いたミーティング。作品づくりに向けて
少しずつ少しずつ堆積している。この過程がたまらんです。

それにしても、トンカツ、美味しかったなぁ。
脇役のキャベツの千切りとのコンビネーションも絶妙だった。
ご馳走様でした。

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