誰かに教えたい絵本(2)

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今日は、おいしそうな絵本です。
というか、子どもっておいしそうな絵本好きですよねー。
ペピンでも、思い出に残っている絵本の話をしたりするのですが、
みんな、おいしそうな場面ばっかり覚えてるんですよね。

あーちゃんちは パンやさん /ねじめ正一・作、井上洋介・絵』

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残念なことに、今この本は手に入れるのがとても難しいようなのです。
地域の図書館に入っていることを祈ります。本当にオススメなんですってば。

パン屋さんの娘さんである、あーちゃん(表紙右側)の一日のお話。
味噌汁も目玉焼きも全部焼きたてのパンの匂いになってしまう朝、
カメラ屋さんのゆきちゃんと三輪車で出かけて、
ケンカして、売れ残りのパンを分けっこして仲直りして、
パン屋さんで大人みたいに
「いらっしゃいませ」を沢山やって、
シャッターを閉めて、おやすみなさい。

裏表紙の、「おっぱいメロンパン」の絵が恥ずかしくって、
でも忘れられなかったなあ。

私は、よそから越してきた、サラリーマン家庭の子だったのですが、
同級生には、地域に昔からあるお店の子どもたちが結構沢山いました。
そういう友達が家に遊びに来ると、白くて四角いへーベルハウスを羨ましがったけど、
私は彼らの、「家がお店」という境遇が憧れだったのです。
その憧れの根っこには、この本があったと思います。
あーちゃんのように、お店を手伝ったり、売れ残りをおやつに食べたり、してみたかったのです。

井上洋介さんの絵は、誰でも子供の頃、一度は目にしたことがあると思います。
(『くまの子ウーフ』シリーズの絵を描かれている方です)
ねじめ正一さんの、坂を転がり落ちていくような語り口もたまりません。
大学時代に、ねじめ正一さんの特別講義を取っていて
毎回ねじめさんが自作の詩を朗読されるのですが、
激しくツバを飛ばしながらまくし立てるその様子が、この絵本の文体そのままでした。

なんともいえない、忘れられない気持ちよさを持っている絵本です。
でも、よい絵本って、そういうものなのかもしれませんね。

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