2009年10月アーカイブ


目から入った情報が脳みそに届いて画を結ぶまでには
ちょっとだけ時間がかかる。だから、目に見えている
世界はちょっとだけ過去の世界だ(ろう)。

本当の「今」は、目に見えているよりもちょっとだけ早く
進んでいるんだな。これはサイエンスだと思う。

「だからどうした!」と言われると困るんですが、
認識と現在の間にちょっと別の世界が潜んでいるんじゃ
ないかなと。そう想像します。

でも身体はそういう世界に触れている。
本当のことは身体の方が知っているのかもしれないなぁ、と。
そう想像します。

どうも 10/20
下田 10/22
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宮沢賢治が好きです。
ファンといえるほど、詳しいわけではないのですが
中2のときに、夏休みの自由研究で
「『銀河鉄道の夜』の、銀河鉄道のステーションで売っている旅の絵葉書セット」
を作ったくらい(絵は下手でしたが・・・)、彼の物語の世界が好きです。

宮沢賢治のお話は、誰でも読んだことがあると思うのですが、
詩もすばらしいので、誰かに伝えたくなりました。

詩集『春と修羅』に収められた「小岩井農場」という詩で、
岩波文庫の宮沢賢治詩集などにも掲載されてると思います。
もとは、パート1?パート9まである(ただし、5と6は空白)すごく長い詩です。
(>>> 青空文庫

私が一番好きなのは、ベタですけどパート9です。
特に次の一節には、何遍読んでも胸を打たれます。


明るい雨がこんなにたのしくそそぐのに
馬車が行く 馬はぬれて黒い
ひとはくるまに立つて行く
もうけつしてさびしくはない
なんべんさびしくないと云つたとこで
またさびしくなるのはきまつてゐる
けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさと悲傷とを焚いて
ひとは透明な軌道をすすむ
ラリツクス ラリツクス いよいよ青く
雲はますます縮れてひかり
わたくしはかつきりみちをまがる


中原中也の「別離」という詩を、以前ここで紹介させていただいたことがありますが、
これと似通った覚悟が流れているように思います。
実は、ペピンのサイトに載っている(近々、更新される予定ですが)
「天気の良すぎる今日を、も少し上手に生きるために。」
という言葉は、「別離」を下敷きにしたものです。
(こちらも、岩波文庫の詩集・大岡昇平編に収録されています)

私は、悲しくて寂しくて仕方ないときでも、泣くときは一人がいい。
孤独なときは、誰とも一緒に居たくない。
一人で泣いて、立ち上がって、もう一度出発する。
ハッタリかもしれないけど、寂しいときは、もっと強くなりたいんです。

「孤独」について書いていない詩人なんて、いないと思うけど、
宮沢賢治や中原中也の詩の、この明るさや、強さに憧れるのです。
この詩が私を強くなれるような気持ちにしてくれるのです。

寂しくて強くなりたいときは、ばかみたいだけど
「死んだら、誰に会いたい?」
って、近くにいる人誰でもいいから訊きたい気持ちに駆られます。

私は、親戚家族一同から、死んだ兄の生まれ変わりと言われ続けていたから
自分が、死んだ人の世界からやってきたんだと、なんとなく知っていました。
それに、誰かが死ななければ、自分が生まれてこなかったことも。
でも死んだあとに、会いたい人に会うためには
ちゃんと生きてるうちに会っておかないとダメなんです。
それに、そのうち死ぬんだけど、まだ死んでないから、今は生きるしかないんです。
だから会いたい人になかなか会えなくても、まっすぐ顔を上げて
曲がり角のむこうの「透明な軌道」を進むんです。
寂しくなくなったら、今度こそ会いに行けるから。
会いたい人に会うことを、諦めちゃダメなんです。
だから、ちゃんと強くなって。強くなって、会いたい人に会いに行くんです。

なんか丹波哲郎みたいなことを書いてしまった。無宗教なんですけど。
この詩が、皆さんを励ましてくれることを願います。


そんなわけで、木枯らし紋次郎に続いて、
自分を強くしてくれるものの紹介でした。
会いたい人に会うことを諦めないで、旅を続けてください。続けよう。続けます。

。。 10/20
石神 夏希 10/22
。。 10/23
石神 夏希 10/26
Wholesaler Galvanni 09/06
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以前にここで、酔っ払いは嫌いだと書いたんですけど、
酔いたくても酔えないときがあるということを、この歳にして初めて知りました。
呑んでも呑んでも、酔っ払わないんだ。とうに限界は超えてるはずなのに。

ひとりで泣きながら呑んだくれて、ダメーな感じになってやろうと思ったのに
逆にどんどん意識が冴えてきちゃって、しらふのまま朝を迎えてしまいました。
でも、酔いたくて呑んでいたから、酔えなかったのかもしれない。

酔いたくて呑んでいる酔っ払いに、これからはもう少し優しくなれそうです。
せっかく酔うことに成功してるんだから、幸せにしといてあげよう。

Wholesale Galvanni 09/06
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明日で29歳。30歳まであと1年です。
だから今日は、30歳まであと1年の日です。

仕事場で最近、「おじさん」と呼ばれました。
お兄さんだろ!と思っていましたが、周りの目はすでに
おじさんなのですね・・・。

なんか普通で恐縮なのですが、「30歳まであと1年」
とか意識すると途端に焦る自分がいます。

何に焦っているのか不明ですが、「このままじゃいかん!」
ということでしょうか。じゃあ、なんだったらいいんだい?
問うてみてもうまい答えは見つかりません。

「こう生きたらいい」っていう答えが欲しいのかもしれないけれど、
そんなものないよってTVでも雑誌でもみんなが言っている。
バブル崩壊から不景気が続きすぎて、答えを求めようとする
ことに慣れすぎているのかもしれない。
そうしてもがいている自分に「がんばってるじゃん」って声を
かけてあげたいのかもしれない。

でもでも、それじゃ駄目だろ。そんなんじゃ駄目だろ。
30歳までのラスト1年間。答えはある。きっとある。
そう信じて進むんだ。

びろーど 10/09
下田 10/13
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ものすごく久しぶりに、時代劇について書きます。
(時代劇シリーズを読むには、右端のタグクラウドから「時代劇」をクリックしてください)

今日、「中村敦夫が自らを語る」みたいな番組をたまたまやっており、
大好きな主題歌を久しぶりに聞いて、胸が燃えてしまったからです。

どこかで だれかが
きっと待っていてくれる

(『だれかが風の中で』>>>YouTube

私はもう、紋次郎が好きなのか、中村敦夫が好きなのか分からないのですが、
『木枯らし紋次郎』を見て中村敦夫を好きになったのは確かです。
何が好きって、中村敦夫の汚い殺陣(斬り合いのシーン)が好き。
「汚い」なんて言ったら、叱られるかもしれませんが。

王道的な時代劇では、殺陣シーンでは、圧倒的に主役が強くて、
一分の隙もなくバッサバッサと斬り捨てながら、息も切れてない。
最後に鞘に「チャキン」刀を納めて、髪も着物も美しいまま。
まあ、多少リアルにやってるものもあるでしょうが、五十歩百歩だと思います。

中村敦夫は(紋次郎に限らず)殺陣のとき、全然きれいじゃないのです(と私は感じます)。
紋次郎なんか、斬られそうになって、ピンチで、腰とかガタガタに崩れながら逃げたりする。
市川崑監督の演出も独特なのでしょうが、それだけじゃないと思います。
たまたま、素早い身のこなしを見せているかと思いきや、
今度は顔がひどい
言葉にすると、「ふんごー」「もぐう」「ぐぬんが」といった感じです。
髪振り乱して、脂汗で額をテカテカ光らせている様子は、正直「何か、くさそう」です。
もともとそんなにハンサムじゃない上に、ハンサムに見せたい欲ゼロです。

やっぱり、主役が主役たる最低ラインというのがあるんじゃないかと思うんです。
「弱さ」や「汚さ(泥とか)」は許されるけど、「くささ」は許されないかな、とか。
それに、「くさい」設定でも、実際は若い美男美女がほどほどに演じていて、
全然くさそうじゃない! くさそうに見えない! ということが多い気がするのです。

でも、紋次郎のその、本当にくさそうに見える表情がものすごくいい。
キッタネー顔が、すごく魅力的なんです。
人間味溢れるというか、人間臭溢れているのです。

どこにもふるさとはない
泣くやつは誰だ
このうえ 何が欲しい

私は落ち込んでいるときに、このフレーズを聴くと、ぐわーッと力が湧いてきます。
潔くこの身ひとつで生きていくぜという男らしい気持ちになります(女ですが)。
皆さんも、失恋したとき、仕事がうまくいかないとき、ぜひこの曲に根性叩き直されてみてください。
「あっしには関わりのねえこって」と、颯爽と立ち去っちゃってください。
それでも、背中から、上條恒彦の歌声が追いかけてきます。

けれども どこかで
おまえは待っていてくれる
きっと おまえは
風の中で 待っている

誰にも期待しない、自分はひとりなんだ。と思うことで、初めて
ひとに優しくなれたり、愛する気持ちが湧いてきたりすることってありますよね。
紋次郎は、孤独なさすらい人なんだけれど、どんなにひとと関わることを拒否しても、
回避しきれずに、情や思いや記憶がいっぱい絡み合った人間関係の中に巻き込まれてしまう。
どんなに独りで生きようとしていても、彼もまたこの世界の一部としてしか存在できず
やっぱり独りじゃないのです。

最後は時代劇というより、主題歌の話になってしまいました。
私も生まれる前に放映されたドラマなので、ブームになった当時の雰囲気とか
このドラマの名作たるゆえんみたいなものは、全然語れないのですが、
観ると胸が燃えて、誰でも「渡世人」または「男の中の男」になれるドラマだと思います。

ほほえみには会ったこともない
きのうなんか 知らない
きょうは旅をひとり

男って、強がりですね。

。。 10/04
石神 夏希 10/04
Galvanni 09/06
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