わたくしはかつきりみちをまがる/『小岩井農場』

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宮沢賢治が好きです。
ファンといえるほど、詳しいわけではないのですが
中2のときに、夏休みの自由研究で
「『銀河鉄道の夜』の、銀河鉄道のステーションで売っている旅の絵葉書セット」
を作ったくらい(絵は下手でしたが・・・)、彼の物語の世界が好きです。

宮沢賢治のお話は、誰でも読んだことがあると思うのですが、
詩もすばらしいので、誰かに伝えたくなりました。

詩集『春と修羅』に収められた「小岩井農場」という詩で、
岩波文庫の宮沢賢治詩集などにも掲載されてると思います。
もとは、パート1?パート9まである(ただし、5と6は空白)すごく長い詩です。
(>>> 青空文庫

私が一番好きなのは、ベタですけどパート9です。
特に次の一節には、何遍読んでも胸を打たれます。


明るい雨がこんなにたのしくそそぐのに
馬車が行く 馬はぬれて黒い
ひとはくるまに立つて行く
もうけつしてさびしくはない
なんべんさびしくないと云つたとこで
またさびしくなるのはきまつてゐる
けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさと悲傷とを焚いて
ひとは透明な軌道をすすむ
ラリツクス ラリツクス いよいよ青く
雲はますます縮れてひかり
わたくしはかつきりみちをまがる


中原中也の「別離」という詩を、以前ここで紹介させていただいたことがありますが、
これと似通った覚悟が流れているように思います。
実は、ペピンのサイトに載っている(近々、更新される予定ですが)
「天気の良すぎる今日を、も少し上手に生きるために。」
という言葉は、「別離」を下敷きにしたものです。
(こちらも、岩波文庫の詩集・大岡昇平編に収録されています)

私は、悲しくて寂しくて仕方ないときでも、泣くときは一人がいい。
孤独なときは、誰とも一緒に居たくない。
一人で泣いて、立ち上がって、もう一度出発する。
ハッタリかもしれないけど、寂しいときは、もっと強くなりたいんです。

「孤独」について書いていない詩人なんて、いないと思うけど、
宮沢賢治や中原中也の詩の、この明るさや、強さに憧れるのです。
この詩が私を強くなれるような気持ちにしてくれるのです。

寂しくて強くなりたいときは、ばかみたいだけど
「死んだら、誰に会いたい?」
って、近くにいる人誰でもいいから訊きたい気持ちに駆られます。

私は、親戚家族一同から、死んだ兄の生まれ変わりと言われ続けていたから
自分が、死んだ人の世界からやってきたんだと、なんとなく知っていました。
それに、誰かが死ななければ、自分が生まれてこなかったことも。
でも死んだあとに、会いたい人に会うためには
ちゃんと生きてるうちに会っておかないとダメなんです。
それに、そのうち死ぬんだけど、まだ死んでないから、今は生きるしかないんです。
だから会いたい人になかなか会えなくても、まっすぐ顔を上げて
曲がり角のむこうの「透明な軌道」を進むんです。
寂しくなくなったら、今度こそ会いに行けるから。
会いたい人に会うことを、諦めちゃダメなんです。
だから、ちゃんと強くなって。強くなって、会いたい人に会いに行くんです。

なんか丹波哲郎みたいなことを書いてしまった。無宗教なんですけど。
この詩が、皆さんを励ましてくれることを願います。


そんなわけで、木枯らし紋次郎に続いて、
自分を強くしてくれるものの紹介でした。
会いたい人に会うことを諦めないで、旅を続けてください。続けよう。続けます。

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コメント(5)

覚悟ですか。 

小林秀雄の「悲劇について」という文章にも僕は同じことをかんじました。
お読みになってみてください。

シンデレラを見ての僕の感想も「覚悟」についてのように思えましたが。

まえにも書きましたが今人間として生きている意味があるのだとしたらおそらく この「覚悟」 なんでしょうね。
意味なんてありませんよっていわれたらなぁんにもいえませんが。

つきよのキャベツくんの感想をちょっぴし。

なんにもいってない・・・ってことなんじゃないですかね。

下田さんの言葉じゃないですけど 「それがどぉしたの」ってね。
ここぞとばかりの言葉って いざ振り返ってみると それで??みたいなことってよくありますよね?? なぁんにもいってないじゃないか・・ってね。


きのう空を見ながら昼寝をしてました。 僕驚いたね。
そこには地球と風があったのです。

あーばからし。。

コメントありがとうございます。

覚悟、っていい言葉だと思います。
ありのままを正しく見るということなんでしょうか。
あとは、関係ないけど、オトシマエ、とか。結構好きです。

観る方によって、色々感想を持っていただけると嬉しいのですが、
自分がお話を作るときに、私自身が言いたいことは特にないのです。
どちらかといえば私的な内容を取り扱った芝居に見られることが多いんですけど…
言いたいことないから結局、「覚悟」みたいなものしか残らないのかもしれません。
だから、「つきよのキャベツくん」が好きなのかもしれませんね。

ちなみに、下田くんも、覚悟という言葉好きです(と記憶してます)。
あと私はブログでは自分が言いたいことを書いています。

人としてまじめに生きたいものですね。

公演楽しみにしています。


ありがとうございます!嬉しいです。

まじめに、真剣に。
。。さんのコメントを読むと、いつも自分の真ん中に引き戻される気がします。ありがとうございます。

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