えんげきナノヨ/絵本をお芝居にする理由

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前の記事で中澤くんが書いていたとおり、
今回は、長新太さんの絵本を原作にしたお芝居なので、
非常に、プレッシャーを感じてもいるのです。

正直、長さん絵本は、それ自体で完成されていて、
それを舞台の上で再現しようなんて、到底無理な話。
長さんの絵は、それだけですばらしい。
それについて、言葉でとやかく語る必要は無いのです。

それでも演劇にしたいのは何故かって言ったら、
長さんの絵本を読んだときの感動を、誰かと共有したいから、だと思います。

絵本ってやっぱり、読み聞かせするものなんだと思うんです。
お母さんが読んで聞かせて、それを子どもが聞く。
子どもは、思ったことや気づいたこと、疑問なんかを口にして、
お母さんと一緒におしゃべりしながら、読んでいく。
そんなコミュニケーションツール。

長さんの絵本はまさに、そんな「読み聞かせ」に絶好の絵本なのです。

だけど大人になって、ひとりで黙って絵本を読んでいても
読みながら感じたことを共有する人がいない。
(少なくとも私は、長さんの絵本を読んで、ひとり真夜中に悶えている)
絵本は文字がすごく少ないから、下手するとあっという間に読み終わっちゃって
何にも感想が残らなかったりする。

大人がひとりで読むものじゃないんだと思うんです。
読んでもいいけど、そういう風には、作られていない。
それでも、大人が読むべき絵本がある。
大人になってもう一度出会うべき、あるいは大人だからこそわかる絵本がある。

長さんの絵本は、大人が読むべき絵本でもあると思うのです。
だって最高に面白いんだもの!

今回やりたいと思っていることは、
子どもが一生懸命考えたり感じたりしながら読むように、
大人として、真剣に絵本を読むことです。そして、それを誰かと共有すること。
長さんの絵本には、誰かと語りたくなる余白があるんです。
おしゃべりしながら読むことで、どんどん展開して、どんどん面白くなっていく。
ひとりで黙って読んでいるなんて、もったいないよ。

私は子どもの頃の自分の想像力に負けたくないし、
実際に、負けないと思っています。
子どもが読んでも、もちろん楽しいだろうけど、
今私が味わっているこの面白さ、子どもには絶対、わかるまい。

大人だから、子どもみたいに"純粋"なこと(皮肉ですが)ばかり思うわけじゃないし
絵本の世界をありのままに受け容れられないかもしれない。
それでも、そういう"不純な"、"余計な"想像力を含めて、
大人の想像力を肯定したい。

だから今回の舞台は、
「長さんの絵本をお芝居にした」というよりは
「長さんの絵本が大好きな大人が、お芝居を作った」という方が正しいかもしれません。
それでもこれは、私たちにとって、長さんの絵本の世界なのです。
大人といっても、私たちはまだまだ未熟な大人だし、大人にも段階があるだろうから
もしかしたら「長さんの絵本が大好きなアラサー」って言った方がいいかもしれないけど・・・


もしよかったら、お芝居を観る前に、
是非、原作を読んでみていただけると、嬉しいです。
(会場でも、長さんの絵本が買えます!)
そうしたら、絵本を開いておしゃべりするみたいに、
私たちとお客さんの間で、色んな想像が展開して、きっと楽しいと思うのです。

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