2011年12月アーカイブ


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ペピン結構設計と三角フラスコはかれこれ7年のお付き合いになる。
双方の公演を観に行き来する仲で、おそらく刺激をし合い、もしかしたら彼らよりも
私たちのほうがあーだらこーだらと、お互いを一喜一憂させる間柄だったのだと思う。

頭のどこかで、いつか一緒に何かやる時があるのだろうと考えてはいたものの、
かれこれ7年。きっとたまに浮かんでは消えながら、彼らのことを想っていたんだろう。
そのくらいのペピンと三角フラスコの距離だった。

あの3月があった。仙台と横浜の距離は電波も脆いようで、直後から制作の森くんと
連絡をとろうとしても話中で途絶えてしまうこともしばしばだった。
横浜で感じる余震の度、仙台のことを考えずにはいられなかった。
だから、4月に行った。

新幹線はまだ復旧せず高速バスで6時間。仙台駅近くのマルエツで落ち合った僕らは、
被害の大きかった臨海部に行くことなくカフェモーツァルトに入り日が暮れるまで
お互いの話をした。家族と離れること、友人と離れること、子どもたちの挙動の変化、
あたり前がなくなった生活を聞けばきくほど距離を感じた。
共感はあれど、環境に培われる状況が全く違いすぎた。
本屋さんに週刊誌が届き始めて嬉しいという話に光を感じた。

ペピンは止まっていた。これまでの発想で作品を制作できるかどうか、そんなもやもや
した感触のまま手探りで歩みを重ねていた夏、三角フラスコさんから声をかけてもらい
今回の合同公演に至った。

メンバーの一人は気仙沼を中心に復興支援に携わっていた。僕らはその時それぞれが
何を考えているかで作品の内容が大きく変わる。そんな最中に彼がいなかったことは
大きな穴となっていたし、もやもやが埋まることはなかった。

10月、メンバーが気仙沼から帰ってきて品川のデニーズ。本人が口にするまでもなく、
現地で揉みに揉まれた当人にかけられる言葉がみつからなかった。考えた挙句にでた
言葉が「どうよ?」だった。それでも、そこから始められるもので少しずつ当時の
生活をもの語ってくれた。現地での一日を終えてから車で一時間走りアパートのある
一関に戻る。近くのコンビニで週刊誌を読むのが楽しみだったことに体温を感じた。

あの三月と芸術表現は、むづかしい関係のようだ。今でも困難な状況にある方は少なくない。
そんな中、もやもやが続いた僕らの演劇に「何ができるか」なんてことは言えなかった。
僕らは生活や日常から浮かび上がるものを掬いとって作る。非日常を醸すものではなく、
日常を忘れさせるものでなく、距離を計るものでありたいと思う。

3月を経て三角フラスコが作った「はなして」には、風景や時間が詰め込まれている。
これを受け取った僕らはこれまでより圧倒的なリアリティをもって、制作に望むことが
できた。「アマゾン」はペピンと三角フラスコ、横浜と仙台、「あなたと私」との応答、
距離そのものだ。

穏やかな街のど真ん中、マンションの地下でささやかに行われる「ハウ・アー・ユー?」は、
行きと帰りの景色が少しだけ変わって見える「ものさし」のような時間です。
あなたとの距離を計ってもらえたらうれしいです。

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仙台市青葉区・喫茶ホルンの南インドカレー。超うまい。

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アマゾンの話

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こんにちは。石神です。

冷たい雨、朝から暖かな晴天と続いて
今日はまた雪の降りそうな冷たい空です。
昨日から『ハウ・アー・ユー?』劇場入りしました。
仙台から三角フラスコさんも到着しました。
今週末の土曜日から開幕です。

2月の『お母さんしかいない国』以来となるペピンの新作は『アマゾン』。
密林でも仮面ライダーでもなく、あの本屋さんの方です。
私たちの日常と「願い」についてのお話です。

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ちょうど三角フラスコさんからお声がけいただいた頃、
NGO職員として気仙沼で復興支援に当たっていたメンバーが帰ってきました。
ほんとに、彼に「おかえり」というところから作り始めたような感じです。
ペピンにとっては様々な巡り合わせが重なった公演であり
今この機会でなければつくらなかった作品だと思います。

ごく私的なことですが、自分としては
30分程度の短編作るのはとても楽しかったです。
拙いところもあるかとは思いますが
今の自分たちに正直に作れたと思います。

...あと、たぶんですけど、Amazonがテーマの演劇は
まだ他に作られていないかなと思います。
(だから何だって話ですが。もしもあったら教えて下さい)

それはそれとして、合同公演みたいな場は久しぶりなのですが
昨日一日、三角フラスコさんと一緒に劇場で過ごしてみて
なんかすごく楽しいなあ、と思いました。
三角フラスコさん達の人柄とか、ツアー慣れしているとか、も思いますが
なんというか、チームの空気や距離感が結構似ているように思います。
居心地がいい。

作品づくりをご一緒するような機会はこれまで無かったのですが
数年来、仲良くして頂いているのには、それなりの理由があるのだなあ
などと思った次第です。

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仙台と東京(横浜だけど)の劇団が合同で...ということで、
震災関連で企画された公演にも見えるかもしれません。

もちろん無関係ではあり得ませんが、でも
私たちにとってはもうちょっと個人的な形で生まれた企画だと思っています。

何て説明したらいいかな、と思っていたら、
三角フラスコさんがちょうどぴったり来る言葉で言い表していたので
一部を引用させてもらいます。

ーーーーーーーーーーーーーーー
今年最後に、ずっとずっと仲良くさせていただいていた、横浜を拠点に活動されているペピン結構設計さんと一緒に、トーキョーで公演させていただくことになりました。

ペピン結構設計さんは、この企画のために当初、次回作として構想されていた作品とは別に、私たちが今回、再々演する一人芝居「はなして」へのお返事のような新作「アマゾン」をクリエーションしてくださりました。

ハウ・アー・ユー?
アイム・ファイン アンド・ユー?

最近どうしてた?お元気ですか?そっちはどうだい?
そんな会話のように、横浜と仙台、それぞれの場所で産まれた物語を、
トーキョーで交わしたいと思っています。

そして、皆さんにも劇場で問いかけたいと思っています。
ハウ・アー・ユー?
ーーーーーーーーーーーーーーー

4月10日に高速バスで
仙台に向かっていたときの気持ちを思い出しています。

是非たくさんの人に立ち会ってほしい、というつもりはないですが
(劇場も決して大きくないし)
会えたらうれしい。ちゃんと会いたい。
お客さんのことを思うと、今そんな気持ちです。

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「ハウ・アー・ユー?」公演情報を更新しました。

・各回終演後、生田恵(三角フラスコ)×石神夏希(ペピン結構設計)
 によるポストパフォーマンストークを開催します。
・12月12日(月)19時30分開催回のみ/ゲスト:鳴海康平さん(第七劇場)をお迎えします。

Facebookページ http://fb.me/frasco.pepin
(ご訪問の際はぜひ「いいね!」ボタンを!)

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 SUBTERRANEAN Dialogue
 三角フラスコ×ペピン結構設計「ハウ・アー・ユー?」
 仙台と横浜、それぞれの物語。2作連続上演
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本公演は、かねてからお付き合いのあった
仙台・三角フラスコさんとの合同公演となりました。

震災以降も精力的に作品をつくり、活動を続けている三角フラスコさん。
その作品の一つである短編一人芝居「はなして」は、仙台・大阪と上演され
本公演で東京での初上演を迎える作品です。

三角フラスコ・ウェブサイト「すずかけ」
http://www.frascoweb.jp/

三角フラスコ・生田恵さんインタビュー
http://subterranean.air-nifty.com/blog/2011/11/post-a128.html

ペピンもこの機会に合わせて、
新作短編の制作に取り組んでいます。

3月以降も、ミーティングを少しずつ重ね、歩みを進めて紡ぎあげた
本作「アマゾン」にぜひお立会いください。

===========================
 ペピン結構設計「アマゾン」×三角フラスコ「はなして」
 12/10-13@サブテレニアン
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三角フラスコ「はなして」
作・演出:生田恵 出演:瀧原弘子

ペピン結構設計「アマゾン」
作・演出:石神夏希 出演:下田寛典 中澤大輔 吉田能 角北龍 武井翔子

2011年12月10日(土)〜13日(火)

開演時間
10日(土)15:00/19:30
11日(日)15:00
12日(月)15:00◆/19:30◯
13日(火)15:00◆
※各回:終演後トーク開催 生田恵・石神夏希ほか
◯12日夜の回:終演後トークゲスト 鳴海康平(第七劇場)

※受付開始(入場整理券発行)・当日券販売=各40分前
※開場=各20分前
※上演時間(予定)=約75分/途中休憩あり

会場:サブテレニアン
東京都板橋区氷川町46-4 B1F 080-4205-1050
http://subterranean.jp/

東武東上線「大山駅」北口から徒歩7分(大山駅は池袋駅より3つ目です。)
都営三田線「板橋区役所前駅」から徒歩3分

料金:日時指定/全席自由
前売 2,300円 当日 2,800円
◆平日マチネ:前売1,800円 当日2,300円

● ペア割:4,000円(各回申込先着10枚)
●U-25割:1,000円(公演当日25歳以下の方対象・各回申込先着10枚)
※未就学児入場不可
※割引適用には予約が必要です。ご予約のない場合は当日料金になります。

チケット予約/各公演日の前日24時まで受付

携帯からの予約はこちらをクリック!





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書き始めたのは、5/7。いろいろあって中断していた、一人芝居の稽古再開初日。一人芝居だっていうのに、森さんがなぜか闖入。タキハラさんと二人で謎の ダンスを踊る。それを見て、「はなして」というタイトルが浮かんだ。「書く」 ことがなかなかできなかった私は言葉のカケラをかき集めた。風景と、記憶の断 片。そんなものでできている。再演にあたって久しぶりにタキハラさんの声で聞くと、一挙にあの場所まで連れ戻された。癒えない傷を隠す必要はどこにもないんだ。
生田恵(三角フラスコ)

2月初旬にペピンの公演があったとき、三角フラスコの皆さんが横浜まで来てくれました。私たちはその2ヶ月後、高速バスで仙台へ行きました。森さんが「コンビニでパンが買えるようになった」と話していたのを覚えています。仙台―東京をパンが行き来することにも人間が行き来することにも、等しく感動がありま した。その距離を超え今回もやって来た三角フラスコさんを思います。そして 日々行き来するパンのこと、そのリズムのことを。
石神夏希(ペピン結構設計)

三角フラスコ
1995年結成。宮城県仙台市を創作拠点として活動。これまで36 本の作品を上演。代表の生田恵がほぼ全ての作品で作・演出を担当。作品に応じて劇場以外にも野外やアートギャラリー、喫茶店、美術館を会場に公演を行う。札幌、東北各地・東京・大阪など、他地域での公演多数。

ペピン結構設計
1999年結成。BankARTやSTスポットなど横浜で演劇活動を行い、これまで18本の 作品を上演。メンバー全員で企画立案を行い、石神夏希が作・演出を担当。日々 の生活から生まれる問題意識を持ち寄り、作品に反映させることをポリシーとし ている。

主催:三角フラスコ・ペピン結構設計 共催:サブテレニアン

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