ちょっと(かなり)遅くなりましたが、「あの日の俺のマルチメディア」を
お届けします。
直感的にマルチメディアというと、小学生のときに初めて行った横浜の
ヨドバシカメラと、そこで買ったビデオデッキを思い出す。
私の実家は鎌倉で、月に1度くらい親に連れられて横浜に行っていた。
家族の休日のちょっと贅沢な過ごし方は横浜での一日だった。
鎌倉にはマルイや高島屋のようなデパートはないし、大型家電量販店
もない。鎌倉は商店街とちょっとしたスーパーがあるだけだったから、
横浜の「都会っぽさ」に刺激を受けた。
小学生のとき、父親に連れられてビデオデッキを買いにヨドバシカメラ
に行った。
ずら??っと並んだビデオデッキ。他のフロアにはスピーカーやら
オーディオアンプやらがあった。とにかく、フロアはやたらにぎやかで、
自分には分からない横文字をしゃべる大人たちがいた。
あの機械に囲まれた状況が、なんだか「マルチメディア」を感じさせて
くれたように思う。機械に対する漠然としたあこがれもあったのだと思う。
でかいダンボールに入ったビデオデッキを片手に父親と帰宅した。
テレビの裏側にケーブルを差し込んだりしていて、何をやっているのか
さっぱり分からなかったけれど、赤白黄色のケーブルにかっこよさを感じ
たし、テレビとビデオデッキがつながっていく様子は、何か新しいものの
登場をおおいに期待させた。
最初に見たビデオは確か、「サウンドオブミュージック」だった。普段から
テレビを見ていたから、ビデオで映像が流れたって大したことはないはず
なのに、すごく興奮した。ビデオにカセットが吸い込まれていくのがすごかった。
テレビを入力切替して、真っ暗な画面の中で、再生ボタンを押したらカラーの
映像が流れていくのがとにかくすごかった。
表現力が乏しくて「すごい」しか言えなかったけれど、あの興奮には、
確かに手ごたえがあった。
ビデオデッキの登場は、私にとってのマルチメディアだった。
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